ウォッチメイカー(ジェフリー・ディーヴァー)

ウォッチメイカー

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ライムシリーズ最新刊。もちろん楽しみにしてましたが、その前に一言。今回の装丁、かなりイマイチ。引っ越しから一年、未だに整理できてないというかすでに諦めてる本の山から過去の作品を引っ張り出して検証する気力はないのでアレですが。そりゃディーヴァーの名前だけで売れるのかもしれんけど、でもやっぱタイトルより著者名が目立ってるのはなんか格好わるいし、帯は帯で適当感つのるし、帯とったらとったでバランス悪いし。今まではシンプルながらもすっきりきれいなイメージで好きだったのになぁ。
で、中身ですが、うんまぁ相変わらず面白いです。でもシリーズ全体を通してみれば、ちょっと失速気味というか、マンネリ感も。なんか、ライムというキャラクターに対抗させるための超狡猾な犯罪者をつくってるという、まあそれはそうなんだろうけど、それが読み手からも透けて見えてきたと言えばいいのか。とくに今回の真犯人はプロに徹した男であったためか、なんか「対戦相手」の枠を越えることがなかったのがちょっと残念。もっと言えばライムさえも脇に押しやられ、「展開」それだけが主人公であったような。別にミステリだからそれでいい面もあるのだろうけど、でもそれだけじゃちょっと、という気もしなくもない。
でもまぁ面白かったわけだし、次の作品も出たらそそくさと買って読むのだろうけど。ま、中身より装丁の落差のほうが軽くショックなんで、そこらへんは頑張ってください文芸春秋