有頂天家族(森見登美彦)

有頂天家族

有頂天家族

森見登美彦の最新作は、狸と天狗と人間が入り乱れる、舞台はやっぱり京都、なファンタジックストーリーであります。

時は現代。下鴨神社糺ノ森には平安時代から続く狸の一族が暮らしていた。今は亡き父の威光消えゆくなか、下鴨四兄弟はある時は「腐れ大学生」、ある時は「虎」にと様々に化け、京都の街を縦横無尽に駆けめぐり、一族の誇りを保とうとしている。敵対する夷川家、半人間・半天狗の「弁天」、すっかり落ちぶれて出町柳に逼塞している天狗「赤玉先生」――。多様なキャラクターたちも魅力の、奇想天外そして時に切ない壮大な青春ファンタジー

いやもう、楽しい。それだけですよ? それの何が悪い!ってくらいに、ただ楽しい。なんかね、その楽しさはまるで、子供のころに戻ったよう。いろんなものに化けて人間社会をうろつき、ときにはほぼ天狗の弁天と京都の空を舞い、ときには家族で身を寄せ合い、ときにはニセ叡山電鉄京都市内をぶっ飛ばす? 楽しくないはずがないでしょう。
仲良し狸一家に混ぜてもらったつもりで読めば、一気読み間違いなし。すべてのキャラクターがいとおしい。ぜひぜひ、続編希望!