きみはポラリス(三浦しをん)

きみはポラリス

きみはポラリス

三浦しをんの新刊は、恋愛をテーマにした短編集。

恋と罪が混じり合った苦しい思い出だったり、現在進行形の明るい恋だったり、てんでばらばらな物語たちをブックエンドのように挟み込むのは、「永遠に完成しない二通の手紙」と「永遠につづく手紙の最初の一文」。親友へひそかな恋心を抱く男の子の、高校生と大学生のときの、それぞれの物語。気のおけない友人同士だからこその馬鹿みたいな会話のなかで、ほんの少し垣間見える主人公の気持ちがなんとも切なく、そしてちょっとかわいい。

そのほかの短編はサスペンスフルだったりほのぼのしたりで、ほんと方向性バラバラなんで感想は割愛させていただきますが、それぞれ短いので、息抜きにでもちょこちょこ読むのにはオススメです。