軽いめまい (講談社文庫)(金井美恵子)
- 作者: 金井美恵子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/02
- メディア: 文庫
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というわけで改めてのレビュー。前回読んだときはまったくこの作品を理解してませんでした。というか二年半前の自分はこんなにも読解力が低かったのかと、愕然とさせられる思いです。
この作品は、夏美という専業主婦の生活とその思考が、つらつらと丹念に描かれた、それだけの作品である。つまらなそうな説明でゴメン。
でもね、ものすごく濃厚な手触りを感じる作品なのだ。「これといった趣味もない専業主婦」というコンプレックスと退屈が生み出す、静かな狂気。それが噴出するかしないか、という微妙な瞬間が物語の端々に潜む。ドラマチックな展開はとくにない、普通の主婦の日々を追った文章が、上等なサスペンスのようだ。
エッセイも小説も、急いでかき集めることになりそうです。嬉しいことです。