千秋に異常?『のだめカンタービレ 17 (講談社コミックスキス)』
- 作者: 二ノ宮知子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/02/13
- メディア: コミック
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父親を拒絶しながらも、これまで見にきてくれたことのなかった父親の前だからこそ、いいかっこをしようとしてあせって失敗してしまう。
う〜ん。難しいところですねぇ。オケは次があるけど、父親の前での演奏に、次があるかどうかはわからない……。千秋の苦悩は続きます。
一方でのだめもまた複雑。オケで立派にピアノでの弾き振りまでやってしまった千秋への焦り、千秋父への勝手なライバル心。
ピアニストだからこそ、でも恋人であるからこそ、のだめ流の思考回路によって、千秋を避けるようになってしまう。
難しいですね。
恋人としての立ち位置なら、弱ってる千秋をフォローするのが当然。
でも一方でピアニストとしてのプライドを刺激されたのだめ。
そこでピアニストとしてのプライドに固執したのだめの選択は、千秋との関係を悪化させる。これってこの二人にずっとついて回る問題なんでしょうね。
もともとピアニストとしての「欲」がなかったのだめを引っ張り上げてきたのは千秋。千秋の目指す<音楽>に近づきたくて一生懸命なのだめは、自分の遥か先を行く千秋になかなか追いつけなくて悔しくて、千秋の悩みにまでつき合えないんですね。恋人同士なら相手が弱った時期には癒してあげるべきだけど、そこでひたすらピアノに打ち込んじゃうのだめのプライドが、やっぱこの作品の肝だとも思う。