このミステリーがすごい!2007年版

このミステリーがすごい!2007年版

このミステリーがすごい!2007年版

今年はとくに、国内ミステリを読んでないんですよねぇ。ベスト10中で3冊。ベスト20中でも6冊。だからランキングを見ても何の感想もないですねぇ。ただ3位にランクインしていた『シャドウ』(道尾秀介)をすごーく読みたい。というのも本書を見る前に、id:seiitiさんの今日の日記で紹介されているのを読んで気になっていたのだ。だから今日の夜、大きめの書店を三軒まわったのだけど、どこにもなくて撃沈。…よろよろと一縷の望みをかけてブックオフにも行ってみましたがやっぱりなかった……むぅ。近日中に東京駅まで出張するか。


さて、翻訳ミステリのほうはまだ比較的読んでるので、公表しちゃいますか。
第一位 『あなたに不利な証拠として』

レビュー→http://d.hatena.ne.jp/juice78/20060512
横山秀夫の女バージョンみたいな短編集。女性警察官の心の中に深く切り込んだ作品集で、翻訳ミステリとしては異色な存在かも。良作でした。
第二位 『クリスマス・プレゼント』
クリスマス・プレゼント (文春文庫)

クリスマス・プレゼント (文春文庫)

レビュー→http://d.hatena.ne.jp/juice78/20051206#p1
面白かったですが……2位? まぁディーヴァー初の短編集と言うインパクトでしょうか。どんでん返し十六連発。
第三位 『荒ぶる血』
荒ぶる血 (文春文庫)

荒ぶる血 (文春文庫)

未読。
第四位 『風の影(上下)』
風の影 (上) (集英社文庫)

風の影 (上) (集英社文庫)

未読。でも評判いいみたいなので読んでみたいな。
第五位 『数学的にありえない(上下)』
数学的にありえない 上

数学的にありえない 上

レビュー→http://d.hatena.ne.jp/juice78/20060901
めずらしく酷評しました。
第六位 『12番目のカード』
12番目のカード

12番目のカード

レビュー→http://d.hatena.ne.jp/juice78/20060927#p2
ライムシリーズとしては前作の『魔術師』が派手だったぶん、ちょっと地味な印象。ま、でも普通以上には面白い。
第七位 『奇術師の密室』
奇術師の密室 (扶桑社ミステリー)

奇術師の密室 (扶桑社ミステリー)

レビュー→http://d.hatena.ne.jp/juice78/20060802
ページを開くたびに驚きの連続なので、いつの間にか麻痺しちゃうくらいです。でもライトな印象。
第七位 『天使と罪の街(上下)』
天使と罪の街(上) (講談社文庫)

天使と罪の街(上) (講談社文庫)

レビュー→http://d.hatena.ne.jp/juice78/20060811
ボッシュシリーズ。このミスの座談会でも語られてますが、シリーズが長くなってもますます面白い。
第九位 『絞首人の一ダース』
絞首人の一ダース (論創海外ミステリ)

絞首人の一ダース (論創海外ミステリ)

未読。
第十位 『わたしを離さないで』
わたしを離さないで

わたしを離さないで

レビュー→http://d.hatena.ne.jp/juice78/20060505
ジャンル違いということもあって、この順位なんでしょう。


それと11位から20位までの既読作品は、以下の通り。
第十三位 『ハマースミスのうじ虫』

ハマースミスのうじ虫 (創元推理文庫)

ハマースミスのうじ虫 (創元推理文庫)

レビュー→http://d.hatena.ne.jp/juice78/20060903
シンプルだけど面白い。皮肉の利いたミステリ。
第十四位 『10ドルだって大金だ』
10ドルだって大金だ (KAWADE MYSTERY)

10ドルだって大金だ (KAWADE MYSTERY)

レビュー→http://d.hatena.ne.jp/juice78/20061017
去年このランキングで一位だった『クライム・マシン』とクオリティーは変わりません。文庫だったらもっと嬉しかった。
第二十位 『失われた男』
失われた男 (扶桑社ミステリー)

失われた男 (扶桑社ミステリー)

レビュー→http://d.hatena.ne.jp/juice78/20060706
ラストの切れ味最高なノワール、トンプスン万歳。


というわけでベスト10では7冊既読と、意外にも読んでました。個人的な総括は月末にやりたいと思いますが、翻訳小説ベスト10ではミステリは入っても一作か。『天使と罪の街(上下)』が濃厚です。そのほかでは11位から20位までに挙げた三作が好みですね。


ちょっと気になったのは、「『このミス』大賞出身作家の隠し玉」というコーナーの海堂尊のコメントで、現実でもついにエーアイ(死亡時画像病理診断)に警視庁が予算をつけたとのこと。素人考えにしてもあるにこしたことのないシステムだと思うし、さきにフィクションでそれを知ってたからなんか嬉しい。このシステムを普通に使って、かつ謎解きに存分に活躍するようなミステリを読んでみたいです。