Cobalt (コバルト) 2006年 12月号 [雑誌]

Cobalt (コバルト) 2006年 12月号 [雑誌]

Cobalt (コバルト) 2006年 12月号 [雑誌]

この雑誌の存在を初めて知りました。当然手に取るのも買うのも初めてです。コバルト文庫っていきなり文庫から出てるもんだと思ってた……。
コバルト文庫を読まなくなって久しい今になってなぜ購入したかというと、桜庭一樹のブログで、彼女と古川日出男のリレーエッセイが掲載されてると告知があったもんで、それだけのために買ってしまいました……紐で縛ってあったんだもの。二人あわせてたった4ページでした=( ̄□ ̄;)⇒
「恋するヒーロー♡ヒロイン」というコーナーで、人気作家が大好きな作品のなかのさらに大好きな登場人物について語る、というものらしいです。古川氏は『銀河鉄道の夜』(アニメ映画のほう)、桜庭氏は『シャーロック・ホームズの冒険』をチョイス。『銀河鉄道〜』は観たことないのだけど、すぐにでもレンタルビデオ屋に走りたくなった。ホームズも小学校の図書館で借りた子供向けのしか読んだことないし、何より記憶も薄れてるから改めて読んでみようかと思う。ていうかこのコーナーいいな! 好きな作家が好きな作品について語るエッセイって好きなんですよね(一文で「好き」を三回使った!)。好きな作家の好きな作品って自分も気に入ることが多いし、日常系エッセイの中でさらりと触れられるより、がっつりひとつの作品について語るエッセイのが濃いし愛所が滲み出て好ましいのです。ちなみに来月は中村航氏と栗田有起氏が担当するようです。


もちろんほかに読みどころがないわけじゃないんですよ? ただほとんどの小説が連載モノなんで途中からは読みづら……
赤川次郎「吸血鬼の秘湯巡り」
( ̄△ ̄;)エッ・・?

コ、コレってわたしが小学生のときに読んでた「吸血鬼」シリーズ? まだやってんのか! ビックリだよもう。読み切り形式っぽいしせっかくなので、久しぶりに読んでみましたよ。
秘湯!不倫!殺人!……コレで吸血鬼さえ出てこなけりゃ火曜サスペンス劇場いけますね。あ、火サスってもうなくなったんだっけ? それはいいけど、まぁ十何年ぶりに赤川次郎を読んじゃいましたね。小学校のころはこの吸血鬼シリーズとか三毛猫シリーズを読んでたなぁ。懐かし。
アマゾンで調べてみたところこの「吸血鬼」シリーズが出たのが1981年。もう25年もやってんのか……。すごいですねぇ。


というビックリもありつつ、あとはノベル大賞と短編小説新人賞の受賞作が載ってたのでそれも読んでみようと。
しかしノベル大賞の方は、キャラ設定とか冒頭のあたりが手垢つきまくりな感じなかんじにうんざりして読むのをやめてしまった。完成度云々よりも「ツカミ」は大事だと思うんだけどなぁ。
短編小説新人賞で掲載されていたのは入選作『昨日見た夢の魚が死んだ目をしていた件』(魚)で、めちゃめちゃ粗いけど、要所要所のシーンでのインパクトがあった。練習してもっとテクニック身につければ化けそうなキレがある。がんばれ。


いやーでもこの雑誌の存在自体に驚きました。ティーンズ向けの文芸誌ですね。いいじゃん。ニュースでは「活字離れ」という言葉が今も忘れた頃にちょこちょこ出てくるけど、そんなに「離れ」てないよ。ていうか「活字」を読むから何なんだ、それで上等な人間になれるのか、と自堕落な活字中毒者は思うのだ。