……03/2006

計32冊。結構な新刊ラッシュでしたね。とくに月の後半からは好きな作家の新刊がどばどば出て、ついでに仕事もいつもより忙しかったので、ちょっと消化不良。トカジの新刊は来月に持ち越し。

恋はさじ加減(平安寿子/新潮社)★★★
深淵のガランス(北森鴻文芸春秋)★★★★★
人生を救え!町田康いしいしんじ/角川文庫)★★★★
陽の子雨の子(豊島ミホ講談社)★★★★☆
大鷲の誓い デルフィニア外伝(茅田砂胡中央公論新社)★★★★
まほろ駅前多田便利軒(三浦しをん文芸春秋)★★★★★
博士と狂人―世界最高の辞書OEDの誕生秘話(サイモン・ウィンチェスター/鈴木主税・訳/ハヤカワ文庫)★★★★★
誰も知らない五つ星ホテルの24時間―匿名ホテルマンの爆笑告白記(イモジェン・エドワーズ・ジョーンズ&匿名/和波雅子・訳/ソニー・マガジンズ)★★★★★
終末のフール(伊坂幸太郎集英社)★★★★
バックマン・ブックス〈2〉ハイスクール・パニック(スティーヴン・キング/扶桑社ミステリー)★★★★
東京負け犬狂詩曲(ラプソディ)(山崎マキコJTBパブリッシング)★★
俺が近所の公園でリフティングしていたら(矢田容生/小学館
オタク女子研究 腐女子思想大系(杉浦由美子原書房)★★★★★
狐と踊れ(神林長平/ハヤカワ文庫)★★★★
きいろいゾウ西加奈子小学館)★★
チョコレートコスモス恩田陸毎日新聞社)★★★★★
ウは宇宙船のウ【新版】(レイ・ブラッドベリ/創元SF文庫)★★★★
ママの狙撃銃(荻原浩双葉社)★★★★
チーム・バチスタの栄光海堂尊/宝島社)★★★★
特盛! SF翻訳講座 翻訳のウラ技、業界のウラ話(大森望/研究社)★★★★
包帯クラブ The Bandage Club(天童荒太ちくまプリマー新書)★
ケルベロス第五の首(ジーン・ウルフ/図書刊行会)★★★★★
スラムオンライン桜坂洋/ハヤカワ文庫)★★
小指の先の天使(神林長平/ハヤカワ文庫)★★★★★
ちぇりあい―ちぇりーぼーいあいでんてぃてぃ(戸梶圭太祥伝社)★★★★
もう一人のチャーリイ・ゴードン―梶尾真治短篇傑作選 ノスタルジー篇(梶尾真治/ハヤカワ文庫)★★★★★
プラスティック(井上夢人講談社文庫)★★★☆
しあわせの理由(グレッグ・イーガン/ハヤカワ文庫)★★★★★
世界の果てのビートルズ 新潮クレスト・ブックス(ミカエル・ニエミ/岩本正恵・訳/新潮クレスト・ブックス)★★★★☆
おせっかい(松尾由美新潮文庫)★★★
the TEAM(井上夢人集英社)★★★★
春になったら苺を摘みに(梨木香歩新潮文庫)★★★★★

月の前半は、ブラッドベリ、イーガン、ウルフ、梶尾真治神林長平など、大御所の面白いSFばかり読んだ。「面白い」なんてひと言で片付けちゃいけないほど、どれも素晴らしかった。
そしてまぁ後半は新刊ラッシュに飲まれちゃってるけど、全体を通してノンフィクション系もアタリばかりだった。楽しみにしてた大森氏の「SF翻訳講座」も面白かったし、「オタク女子研究」も興味深い世界をのぞけて楽しかったし(ちなみに「オタク女子」関連のアクセスはかなり多くてびっくりした)。そしてとどめを刺すかのように、連続で読んだホテルの話と辞書の話がめちゃめちゃ面白かったなぁ。


そんなわけで今月のBEST5(新刊)
相変わらず選びきれないので、今月はページをめくる手が止まらない、そんなエンタメ性の高い5冊を。
まほろ駅前多田便利軒
・陽の子雨の子
チョコレートコスモス
・誰も知らない五つ星ホテルの24時間―匿名ホテルマンの爆笑告白記
・ママの狙撃銃

まほろ駅前多田便利軒 陽の子雨の子 チョコレートコスモス 誰も知らない五つ星ホテルの24時間―匿名ホテルマンの爆笑告白記 ママの狙撃銃 終末のフール

まほろ駅前多田便利軒』『ママの狙撃銃』はそれぞれ、これまでの作品のいいところがぎゅっと凝縮されたような、ひとつの到達点とも言える作品だろうと思う。ホテルの話はもうしょうがないですよ、小説版『24』ですから。『チョコレート〜』は小説としてどうかとか考える前に、ガラかめby恩田陸ワールドの世界にしびれちゃったし。『陽の子雨の子』は単なる応援票じゃないよ。さらりとした小器用な小説が多いなかで、このごつごつとした感触は新鮮以外の何ものでもない。ちなみに次点に『終末のフール』。著者にとっての新境地であると思うと、あり得ないほど上手いと思う。


ついでに既刊でのBEST5は先に挙げたSF大御所の作品で埋め尽くされる。
そしてエッセイは一冊しか読んでないけど、その『春になったら苺を摘みに』は本当に素晴らしい作品だったことを付け加えておきたい。