耽溺者 (講談社文庫)(グレッグ・ルッカ/講談社文庫)★★★★

耽溺者 (講談社文庫)
やっと最新刊まで追いついた。もともとこの「耽溺者」が評判だったのでシリーズを頭から読み始めたのだけど、既刊3冊はどれも設定は面白いのにラストがイマイチだったんだよね。でもさすがにこれは評判が高かっただけあります。スピンオフながらこれまでのシリーズのなかでは一番良かった。
シリーズの主人公であるアティカスのもと恋人であり、男勝りな私立探偵ブリジットが本作の主人公。アティカスの裏切りから完全に立ち直れないブリジットのもとに、彼女の精神的な妹ともいえる友人ライザが助けを求めてきた。ともに薬物中毒から抜け出したライザを守るため、ブリジットは命を懸ける覚悟で敵陣へ乗り込んで行くのだが……!?
前半はほぼブリジットの孤独で危険な闘いが描かれるが、後半はアティカスやライザなど常連のメンバーが必死でブリジットを助ける。その二重構造によってか、物語のテンポが良くてぐいぐい読める。ラストもいいかんじで終わってくれて、満足な一冊です。次の作品もちょっと楽しみになってきたかな。