スープ・オペラ(阿川佐和子/新潮社)

スープ・オペラ
日本海側は積雪がすごいようで。あっちこっちで停電も起こってるらしく大変そうなのはニュースで見て知ってるんだけど、東京はまったく雪が降らないのでイマイチ実感がない…とはいえ今日はさすがにビックリするほど寒かった。も〜寒いのはキライなんだよ。冬眠したい。そんなわたしがコタツにくるまって深夜に読んだあったかい一冊を紹介。
著者の阿川佐和子さんってエッセイストとして認識してたので、小説を読むのは初めて。
主人公は35歳独身のルイ。早くに死に別れた両親の代わりに叔母のトバちゃんとずっと二人で暮らしてきたが、トバちゃんがいきなり駆け落ちまがいに恋人と旅に出てしまった。残されたルイは変わらず同じ家でひとりで過ごそうとするのだが、なぜかたいして素性を知らない二人の男が転がり込んできて…!?
なぜか同居することになってしまった…ていう設定はかなりありふれてるが、かなり細かいスパンで3人の距離感がコロコロ変わるので読んでいて飽きない。トバちゃんはじめまわりのキャラがコメディばりに変なキャラが多くて、ストーリーを愛らしく見せる。
そして何より話の端々に登場する、スープがたまらない。トバちゃん直伝の鶏ガラスープ!! しかもそのスープをかけたご飯めちゃめちゃ食べたい!! わたしもチキンカレーを作るときは手羽元を煮てスープをつくるけど、ここまでちゃんとそのスープ自体に向き合ってことない気がする。あぁ…今すぐにでもスープ作りたくなるなぁ。
冬場読むにぴったりな一作かと思われます。