GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫) GOSICK〈2〉ゴシック・その罪は名もなき (富士見ミステリー文庫)(桜庭一樹/富士見ミステリー文庫)<9-10>

GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫) GOSICK〈2〉ゴシック・その罪は名もなき (富士見ミステリー文庫)
にわかファン脱却を目指します。
舞台は1924年、ヨーロッパ小国のソヴェール王国にある、貴族の子供のための名門学園、聖マルグリッド学園。そこに留学してきた唯一の日本人・九城一弥は、今日も巨大な図書館の階段を駆け上がる。不思議な少女・ヴィクトリアにプリントを渡すために…。このヴィクトリア、かなりのお嬢様らしいのだが複雑な事情によって学園の図書館の最上階に幽閉されているのだ。見た目はかわいいお人形そのもの、しかし口を開けば老人のようなしわがれた声で毒を吐き、パイプをくゆらせながら、一弥の持ち込む謎をあっさり解いてしまう驚異的な頭脳の持ち主でもある。「女の子は守らなくてはいけない」と教え込まれた素直な一弥は、このヴィクトリアに振り回されて、次々ととんでもない事件に巻き込まれてしまう…。
キャラの奇抜さが印象的だが、実はステロタイプ本格ミステリ。一弥がワトソンで、ヴィクトリアがホームズなわけですね。本筋の謎解きはもちろん、ヴィクトリアの謎の家族関係が徐々に明らかになっていくというあたりも面白い。主人公二人の成長がゆったりとかんじられるあたりも、シリーズものとしては読ませますね。続きを読むのが楽しみ。