天使のナイフ(薬丸岳/講談社)<14>

天使のナイフ

今年の江戸川乱歩賞受賞作。
主人公はスタバ系コーヒーショプの店長・檜山。数年前妻が殺され、今は4歳になる娘と二人暮らし。しかし今も彼の心の中では、事件のことがくさびのように刻み込まれていた。妻を殺したのは金目当ての15歳の少年3人組だったのだ。事件は日本中の注目を浴び、しかし当時の少年法に守られた少年たちのことを、檜山は何も知ることができなかった。ところが数年後、檜山の店のそばで、檜山のアリバイのない時刻に、犯人の少年のひとりが殺された。事件が再び動き始めるー。
少年法の問題点を絡めながら、ぐいぐいと読ませるサスペンス。プロットもいいし、ラストのどんでん返しも効いてる。でもラストはちょっとやり過ぎ感あるけどね。ま、でもなかなか面白く読めました。ただ作者の個性みたいなものがあまり見えてこない。それが江戸川乱歩賞らしいといえばそうなんだけども。