スカーレット・ウィザード〈1〉 (C・NOVELSファンタジア) スカーレット・ウィザード〈2〉 (C・NOVELSファンタジア)(茅田砂胡/中央公論新社)

スカーレット・ウィザード〈1〉 (C・NOVELSファンタジア) スカーレット・ウィザード〈2〉 (C・NOVELSファンタジア)
しばらく前から行きつけの書店のSF・ファンタジーの棚で、このライトノベルっぽい表紙のノベルズがやたらたくさん平台に並べられているのを見て気にはかかったんだけど、今日改めてその平台をじっくりと見てみると、半分以上がこの作者の本であることに気付いて手に取ってみた。平台にたぶんこの著者の書いたノベルズがすべて並べられていたのでいろいろ吟味していたのだけど、長いシリーズ物が多い。一番有名そうな「デルフィニア戦記」というのなんて全15巻だ!う〜ん、と悩んでこのシリーズに手を出してみることにした。全5巻だし、恋愛モノらしいので取っ付きやすいかと…。そのあと文芸評論の棚に行って「ライトノベル☆めった斬り!」をぱらぱらと見てみると、ガイドでこの作者については「ライトノベル界随一のストーリーテイラー」みたいなことが書いてあったので、ちょっと期待が増す。とりあえず2巻まで購入。
…2巻まで読んで後悔しました。なぜわたしは5巻まとめて一気買いしなかったのかと。これ面白い!
舞台は宇宙。ってすごくおおざっぱだけど例によってあまり細かい説明はないけど、人類が普通に宇宙の様々な星に移り住んでる状態。今の地球にとっての<世界>が<宇宙>になったようなかんじ…かな。主人公のケリー・クーアは<キング・オブ・パイレーツ>の異名を持つ一匹狼の海賊(←海じゃなくて宇宙空間をうろうろしてる賊)。裏の世界ではかなり有名な存在なお尋ね者でもある。そんなケリーがある夜、バーで知り合った不思議な女に結婚を迫られる。その女の正体はなんと表の世界で増大な権力を持つクーア財閥のひとり娘・ジャスミン。ただしこのジャスミン、お嬢様という言葉とはほど遠く、美しい顔立ちではあるがかなりの長身、軍人のような鋼の体、そして実際に屈強な男相手でも拳で勝ってしまう、加えてもちろん並の男より男らしい性格を持った女だったのだ。そんなジャスミンが内密に、しかも自身で、裏の世界の住人であるケリーに結婚話を持ちかけたのにはワケがあったー
ツボにハマるわ〜。もともと強い女キャラ好きだし。ケリーも格好いいわ〜。ジャスミンに振り回されている情けない男演じながら実は冷静に状況を楽しんでるし、でも自分で気付いてるか気付いてないか微妙なとこだけど現実にジャスミンの言葉に翻弄されるシーンもあり、ジャスミンが危ない状況にあればちゃんと助けちゃうし。この作家って女の人なのかな?女の人だよねきっと。
全体的に見ても緩急のあるスピードを持った展開で、漫画みたいにがんがん読める。はやく続きが読みたい。