白いへび眠る島(三浦しをん/角川文庫)

白いへび眠る島
ハードカバーを買おうかどうか悩んでたので文庫で出てくれてラッキーな気分。これで三浦しをんの小説はいまのところ制覇。ハードカバーの時は「白蛇島」という題名だったのが改名されたようですね。

高校最期の夏、悟史が久しぶりに帰省したのは、今も因習が残る拝島だった。十三年ぶりの大祭をひかえ高揚する空気の中、悟史は大人たちの噂を耳にする。言うのもはばかられる怪物『あれ』が出た、と。不思議な胸のざわめきを覚えながら、悟史は「持念兄弟」と呼ばれる幼なじみの光市とともに『あれ』の正体を探り始めるが…。

ほんっと三浦しをんはつかみどころないなぁ。今回のお話はホラーやSFに分類されそうな話だし。でも青春小説なんだけど。読み始めてすぐに島の奇妙な雰囲気に引き込まれた。船でしか行くことのできない小さな島で、大人になれば長男以外は島から出て行かなければならないという「きまり」があり、よそものは歓迎されず、おとなたちは『あれ』の存在を信じていて…。もうね、絶対殺人事件起こると思ったよ。起こらなかったけど。本格ミステリの舞台なんだもの。それとわたしは途中まで悟史と光市の仲を疑ってたんだけど(「月魚」系かと…)そうでもないし、話はどんどんオカルト入ってくるしで、全然予測のつかない方向へ転がっていっちゃったかんじ。ま、面白かったからOKです。次はどんな作品を書くのか楽しみ。