いつかパラソルの下で(森絵都/角川書店)

いつかパラソルの下で
『永遠の出口』以来2年ぶりの新刊…らしい。もう2年前か…。
厳格すぎる父親のもとから飛び出して3年…野々は恋人と同棲しながらはじめての自由な生活を満喫中。ところが父が死んで数ヶ月後、思いも寄らぬ父の過去が明らかになる。同じく家を飛び出した長男、ダディーズガールであり続けた次女とともに、自分たちが見ることのなかった父の本当の姿を調べ始めるが―。
ストーリー全体を見ると凡庸さも感じるが、それぞれのエピソードが印象的。妹がいきなり女っぽく変身しようとして失敗したり、佐渡島の無愛想な従姉妹・愛ちゃんのこととか。大人になりきれない三人の兄弟が、ちょっとだけ大人になるハートフルな物語です。