リセット (ハルキ文庫)(盛田隆二/ハルキ文庫)

リセット (ハルキ文庫)
最近文庫化が続いてますね。来てるな、盛田隆二
帰国子女の16歳・菜々はいじめられるか仲間に入れてもらえるかぎりぎりのラインでパー券をさばくため、ついにブルセラショップにまで出入りするように。母親はアル中の作家でバツイチの編集者と同棲中。中学時代になかよくしてた男の子はストーカーまがいの行動に出て―。<あの事件>前後の二週間、菜々を取り巻く様々な人間たちの視点から描かれる、ぎりぎりアンダーグラウンドな16歳の世界。

九六年六月二十八日、神戸の《少年A》が逮捕された日を中心に、その前後二週間の日本の高校生と、その親の群像を描いた。状況に対して絶望もしきれず、かといって無根拠な希望も持たず、ギリギリの地点でふんばって書いたつもりだ

これは『月刊国語教育』2002年5月号に掲載された著者の言葉を引用した文庫解説からさらに引用したもの。解説の重松清が書いてるとおり、この言葉にいろんなものが集約されてると思う。
上手く説明できないが、すごく面白かった。そしてそのリアルさに胸が痛くなった。