万物理論 (創元SF文庫)(グレッグ・イーガン/創元SF文庫)

万物理論 (創元SF文庫)
やあっとこさ読み終わった。去年出版されたSFのなかでかなり高い評価を得ていた作品。最初は電車の中でしか読んでなかったので遅々として進まず…半分くらいにきたところで一気に集中して読み終わった。背表紙のあらすじより

すべての自然法則を包み込む単一の理論、”万物理論”が完成されようとしていた。ただし学説は3種類。3人の物理学者がそれぞれの”万物理論”を学会で発表するのだ。正しい理論はそのうちひとつだけ。映像ジャーナリストの主人公は3人のうち最も若い20代の女性学者を中心に番組を制作するが……学会周辺にはカルト集団が出没し、さらに世界には謎の疫病が。究極のハードSF!

まず設定としてこの物語の背景となる時代は、人間を改造することが当たり前となってる時代であり、”強化男性”やら”転女性”、”汎性”などのセクシャルが入り乱れ、また主人公のように体内に記録装置などの機械を埋め込んでいることもある。また学会の舞台となるステートレスも生物学的に特殊な人工島であるらしい。もう頭の中はぐるぐるだ。そしてもちろん題名通り「万物理論」がテーマだから専門用語や造語がばんばん出てくるし、それに加えて様々なトンデモ系カルトが出現してきて、正直かれらが話している内容の半分も理解できてない気がする。
だけど逆に考えると、文系出身で理系科目全部大嫌いというわたしがこの分厚い物語を読み終えることができたということは、この作品が間違いなく面白いということの証明にはならないだろうか。わたしが証明してどうする。でも本当に面白かったのだ。もう一回読み返したいくらい。そうすればもうちょっと理解できる気がするから…。
しかしよくもこんなに詳しく書けるもんだなぁと思っていたら、この作者は数学の理学士号を持つ元プログラマーだそう。頭の中がどうなっているのか見てみたいもんだ。