Book(13-14)

豚を盗む
豚を盗む佐藤正午岩波書店
仕事の待ち時間に読むならやっぱエッセイでしょう。この人のエッセイを読むのははじめて。というか男性作家のエッセイをハードカバーで買うなんて本当に久しぶりではなかろうか。好みの問題だし最近はあえて手を出していないということもあるけど、魅力的なエッセイを書く作家にはなかなか出会えない気がする。ましてや女性作家のエッセイだと面白くとも何ともなくても一応は「ふーん」と思いながら読めるのだけど、男性作家のエッセイだと好き嫌いが徹底的に別れて途中で放り投げるものも多い。
そんなわけでかなり久々の男性作家によるエッセイなのだけど、これがすごく面白かった。説明しづらいけど、風通しがよくて押し付けがましくない。淡々とした文章なのにふと心に留まるエピソードがいくつもあった。いいなぁ、この人のエッセイ。これまでのものも近いうちに読んでみよう。


FOXY
FOXY(宇佐美遊/文藝春秋
「させないけど、お金はください。」というふてぶてしい帯の文句が目にとまって購入。
モデルを目指し北海道から上京してきた千華はニセのモデル養成所に貯金をだまし取られてしまい、水商売の世界へ。そこでナンバーワンホステスの繭子に可愛がられ、男を騙すテクニックを教えてもらうのだが―。
夜の世界の持つスリルとドロドロ感で一気に読ませるのだが、設定やキャラクターが紋切り型。う〜む。