Book(22-24)

ゆっくりさよならをとなえる (新潮文庫)
ゆっくりさよならをとなえる (新潮文庫)川上弘美新潮文庫
川上弘美のエッセイを読むのは初めて。でもエッセイというよりは<随筆>と呼びたくなるようなニュアンスを持った、彼女らしい作品。小説を読んだ上でのイメージに近い人だな、と感じたが、一点「自分は大女である」とあるのを読んでちょっと意外に思った。写真とか見たことあるけど、小柄なイメージだったのだ。足のサイズが24.5だそうだからそんなにいうほど大きくはないのではないかと思うけど。身長はどのくらいなんだろう?

ドゥームズデイ・ブック(上) (ハヤカワ文庫 SF ウ 12-4) (ハヤカワ文庫SF) ドゥームズデイ・ブック(下) (ハヤカワ文庫 SF ウ 12-5)
ドゥームズデイ・ブック(上) (ハヤカワ文庫 SF ウ 12-4) (ハヤカワ文庫SF)ドゥームズデイ・ブック(下) (ハヤカワ文庫 SF ウ 12-5)コニー・ウィリス/ハヤカワ文庫)
電車の中でちょこちょこと読み進めていたものの、面白くて今日一気に読み終えてしまった。やっぱこの人の作品はおもしろいなあ。
タイムトラベルが可能となった未来―オックスフォード大学では中世史科の熱心な女学生・キブリンが14世紀への観察旅行に備え、着々と準備を進めていた。彼女の懇意にしている教授・ダンワージーはその危険性と準備不足を指摘し、キブリンの身を心配する。だがキブリンの情熱で旅行は実施されてしまう。
14世紀に着いたキブリンは、まわりの状況から判断してこのタイムトラベルに多少のズレが生じていることを認識する。だが手を打つ間もなく、原因不明の高熱に冒されて意識を失い―。
一方の21世紀ではキブリンを送り出した後、オックスフォードでは新型のウイルスによる伝染病が急速に広がり、地域全体が隔離指定される騒ぎに。次々と患者や死者が増える喧噪の中で、キブリンのタイムトラベルにおけるトラブルを確信したダンワージーは、何とかしてキブリンを救おうと右往左往するのだが―。
二つの世界で急速に進む恐怖に、結構長い物語であるにもかかわらず、のめり込んでしまう。ラストはちょっとぞくぞくするほどに、哀しい。すごく読みやすい翻訳にも感謝。さて次は『航路』を読みたいところだが、訳者の大森望氏のウェブ日記を読んだところ、もうすぐ単行本版が出るらしい。どうしようかなあ。単行本で欲しい気もするけど、文庫本だとまた翻訳がバージョンアップされてるかもしれないしなあ。悩みどころです。