Book(16-17)

光の帝国 常野物語 (集英社文庫)
光の帝国 常野物語 (集英社文庫)恩田陸集英社文庫
それぞれが異なる能力を持つ<常野一族>。人間離れした己の能力ゆえに傷つき、ときにそれを持て余し、ときに<常野>以外の人間に利用され―。そんな一族を主人公にした短編集。
あとがきで著者が「手持ちのカードを使いまくる総力戦になった」と語っているとおり、本当に一冊にまとめるには惜しいような作品。それだけおもしろいってことですが。



人形館の殺人 (講談社文庫)
人形館の殺人 (講談社文庫)綾辻行人講談社文庫)
洗濯機で洗ってしまった本である。そのあといくつかの本屋で探したのだがこの本だけがないのは、間違いなく洗ってぼろぼろにしてしまったわたしへのたたりかと思った。でもまた買えてよかったよかった。
画家・飛龍は父親の遺産である京都の古い家に移り住むが、自らに向けられた悪意に生活を侵食されていく。遺言により動かすことのできない、家中に置かれたマネキンたちは何なのか―?思い出すべき過去とは―?古い友人・島田潔に連絡を取るも…。
これはシリーズの中でもかなり異色な作品。どう異色なのかはネタバレになるかもなので伏せるが。<シリーズの中>というより、<推理小説の中>でもかなり突出した作品だろう。どんな常識でも覆す仕掛けを施すからこそ、やはりこの筆者はスバラシイ。