Book(32)

百鬼夜行 陰 (講談社文庫)
百鬼夜行 陰 (講談社文庫)京極夏彦講談社文庫)
今さら口に出して言うのも馬鹿らしいほどに、もの忘れがひどい。でも別に最近始まったことじゃなくて、子供の頃からだ。同じ本買ってきたりするし。買ってきただけならまだしも読みながらラストのくだりで「これは読んだことがある!」と気付くこともままある。記憶を司っている部分がちょっとおかしいのではないか。
そんなことを思ったからといって、別にこの本を読むのは二度目ではない。この本は『京極堂』シリーズのサイドストーリーとなる短編集である。サイドストーリーといっても京極堂本人はもちろん、おなじみの脇役たちもほとんど出てこない。これまでに京極堂が関わった事件の関係者たちの物語なのである。
読んだ物語の記憶が飛んでいるわたしには少々辛い。ちょこちょこ覚えのある名前が出てきたりするものの、それが誰なのかわからないし、何の事件に関わった人なのかもわからないし…、大丈夫かわたし。シリーズ全巻読んでるのになあ…とむなしさをかかえてとぼとぼと全編読んだ。
それぞれの短編の独立性は高く京極堂らしさを楽しめるものの、やっぱり本編を読んでないと辛いものかもしれない(読んでるけどね!)。欲を言えばそれぞれの本の巻末におまけとして付けといて欲しかったかな…。