牛 築路 (岩波現代文庫)(莫言)

牛 築路 (岩波現代文庫)

牛 築路 (岩波現代文庫)

中国文革期の貧しい農村を舞台にした中編集。莫言どころか中国の小説が初読みなのだけどこれがめためた面白かったっ!嘘つき少年と卑しい老人とタマタマ抜かれた牛のものがなしくもおかしいロードムービー的な「牛」でぐっと心掴まれ、道路工事の男たちの群像劇「築路」はあまりに鮮烈なシーンの描写が連続するのにくらくらしながらほぼ一気に読み切った。この人の小説からは映像が浮かぶ。見たこともない中国の田舎の貧しい土地が、粗野で下品な男や女たちのただむき出しに生きる表情が。衝撃だった。他の作品も読みたい。