王国

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「究極の悪」とか「絶対悪」という言葉が本作や『掏摸』の帯にも目立つように入れられているけど、どっちもファンタジックなんだよね。リアリティーの伴わない悪意なんて怖くない。常に何かに追われ続けるスリリングさは楽しめるものの、『掏摸』に比べると何のカタルシスもない主人公に感情移入しにくく、木崎も出番が多いゆえか恐怖感も薄れた気がするんだよな…。
読了日:06月28日 著者:中村 文則