虚報(堂場瞬一)

虚報

虚報

マスコミにも度々登場する著名な大学教授がサイトで自殺の正当性を訴え、そのサイトを見た人間が集団自殺を起こしたーーー。抜きつ抜かれつのなか、伝説と言われるベテラン記者と新米記者の視点を軸に事件が展開していく。
これも、うーーーーーん、と、唸ってみる。
せっかく面白いテーマ(自殺は罪か否か?)を取り上げたのに、一新聞社内の人間関係に随分とページを割いてるし、ていうかそもそも、タイトルと帯でこの小説のクライマックスはここだと事前に教えてくれるし、面白みがなかったですねえ。
新聞社内の話なんて面白くも何ともないから要らないし、そのぶん「自死」を吹聴した教授の心の闇に迫ってほしかった。