映画篇(金城一紀)

映画篇

映画篇

新刊はかなり久しぶりですねぇ。最後に出たのが『SPEED』だから、丸二年ぶりですか。著者自身大好きな「映画」を共通のキーワードにした連作短編集であります。
帯には「金城一紀の最高傑作」とあるけど………、う〜ん。スゴいベタなハリウッド風ドラマ(1時間完結)を5本見させられた気分だ。まあそういうのを狙ってるのかもしれないけど、とりあえず小説としてはどうなんだと。読者をたっぷり煽りながらそのオチって肩すかしにもほどがあるんだけど……とあまりのことに驚いた冒頭の「太陽がいっぱい」。ガッカリとかいうレベルじゃなくて、どうしたんですか?と心配したくなった印象は、最後まで変わらなかったな。短編小説というより、映画のプロットみたい。そうだとしてもとくに興味は惹かれない類いの。
残念でした。