]Invitation (インビテーション) 2006年 08月号 [雑誌]

気になる映画『ゲド戦記』が特集だったので買いました。
どうなんでしょうね『ゲド戦記』。宮崎駿の息子の宮崎吾朗の初監督作品。というかなぜ宮崎駿じゃなかったんだろう?という素直な疑問がある。彼はものすごくこの原作に思い入れがあるようで、数年前に映画化を原作者(ル=グウィン)に申し入れたが、その段階では断られたらしい。それから原作者が宮崎アニメを観て、彼ならばOK、という原作者からの逆オファーがあったにも関わらず、なぜか息子が監督に(宮崎駿自身はかなり強硬に反対したらしいが)。本誌では、監督の鈴木吾朗、プロデューサーの鈴木敏夫、原作の翻訳者で宮崎駿と原作者のパイプとつくった清水眞砂子、という『ゲド戦記』映画化において非常に中心的な立場にある3人のインタビューが掲載されていて、それ自体とても読み応えはあるのだけど、「なぜ宮崎駿が撮らなかったのか?」ということには触れられていなくて、ちょっとモヤモヤするのだ。
でもまぁ映画を観てみないとわからないけど、逆にコレで良かったんだろうなとは思う気がする。成功すればジブリの未来も明るいわけで。ただ求められるクオリティーの高さが途方もなくて、宮崎吾朗氏には同情してしまう。原作は世界三大ファンタジーで、製作はスタジオジブリ。平均点じゃ許されないでしょう。半端な作品だったら、オヤジに撮らせれば良かったのに…、なんて一番言われたくないことを言われるだろうし。
でも個人的にはとても期待しているのだ。クリエイターも若い人を中心に選んだらしいし、ジブリ作品/次世代の代表作になればいいなぁと。それにCMで流れる「テルーの唄」はすっかり頭の中でループしてますから。


で、今月号はそれ以外もいろいろ読み応えがあった。『ゲド戦記』特集ということで、さらに他のアニメの最新情報があって。細田守監督の『時を駆ける少女』は映画館で観てみたいという気がしたし(乙一氏によるレビューがあります)、あの『NIGHT HEAD』がアニメになるのか…とか、『妖怪人間ベム』が復活!?…見逃せん!ほかいろいろな情報がありまして。
TVドラマ版『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』主演の大泉洋リリー・フランキーの対談も楽しいし。しかし映画版の主人公はオダギリジョーらしい……。それはちょっと無理がないか。だって、リリー・フランキーオダギリジョーの共通点は名前がカタカナであることくらいじゃないか! でも映画版のお母さん役は樹木希林で、それはちょっと観たいかも。
あとブックレビューの中の作家インタビューはこれまた乙一です。『銃とチョコレート』について。