Book(8)

物は言いよう
物は言いよう斎藤美奈子平凡社
豊崎由美と並ぶ毒舌評論家・斎藤美奈子の新作、楽しみにしておりました。最近は本をテーマにした著作が多かった(『趣味は読書。』『文壇アイドル論』など)が、今回はなんとFC(フェミコード)チェックの実用書(?)。FCとは…
<言動がセクハラや性差別にならないかどうかを検討するための基準。公の場ではそれにふさわしいマナー(作法)を身につけよう、との趣旨で考案された。>
「女は子供を産んで一人前」とか「女にしておくのはもったいない」とかそういう類の言葉を公で発してしまった政治家や言論家、作家の発言を取り上げ、どこが問題なのかを考察したコラムを一冊の本にまとめたものだが、これが上手いの何の。さすが斎藤美奈子。思わず笑ってしまうテンポのよい文章でばっさばっさと著名人を斬りまくるあたり相変わらず冴えまくってるが、今回もまたいいテーマに目をつけたものである。この人は『妊娠小説』や『文章読本さん江』など思わぬところに目をつけ、しっかりとした調査の上、牙をむくのが得意だ。この本も結構、用意周到。人の文章や発言にもの申すのだから当然かもしれんけど。これからもどんどん面白いテーマでばりばりがんばって欲しい人である。