Book(38-40)

時計館の殺人 (講談社ノベルス)
時計館の殺人 (講談社ノベルス)綾辻行人講談社
「館」シリーズの最新作が最近書店で大きく取り上げられてるので面白いのかなーと思って買ってみた。しかしこれはシリーズ5作目。また中途半端なところから始めてしまったな…。
大手時計メーカーの前会長が建てた奇妙なつくりの「時計館」。怨念がこもるその館で霊媒をするという企画を担当した雑誌編集者・江南は、嫌な予感に襲われ知り合いのミステリ作家・鹿谷に相談する。鹿谷はこれまで中村青司という設計者の携わる建物で因縁のように起こる殺人事件に何度も遭遇し、それを解決してきた人物であった。そして問題の「時計館」もまた中村青司の設計によるものだったのだ―。
素直に面白いです。昨夜のように時間をつぶすときなんか最適。



クールトラッシュ 裏切られた男 (カッパノベルス)
クールトラッシュ 裏切られた男 (カッパノベルス)戸梶圭太/光文社)
プロの犯罪者である4人の男たちが手を組みパチンコ店の現金強奪に成功した。しかし闘争中にミスが発生し、4人の男たちは金とともに隠れ家にこもることとなる。しかしその中の一人、米田が仲間の二人を撃ち殺し金を持ち逃げする。生き残った鉤崎は米田から金を取り返すことが出来るのか―。取引と罠と裏切りが押し寄せてくるクライムノベル。
うーん、思ったより地味。テンポも一定だし。それぞれのキャラをもっと立てて欲しかったな、という気がする。ライトチックな強奪系クライムノベルなら伊坂幸太郎の『陽気なギャングは地球を回す』くらいにキャラがしっかりしてるほうが好きだ。



蕎麦屋の恋 (角川文庫)
蕎麦屋の恋 (角川文庫)姫野カオルコ/角川文庫)
この人の作品もまだ一部しか読んでないな。直木賞候補にもなった『ツ・イ・ラ・ク』はビックリするほどに面白かったけど、他の作品は結構揺れがあって好き嫌いが分かれる。
地味に女に持てる製薬会社の課長と板前志望の女の子の不思議なデートを描く表題作、こじゃれ感を装ったものを憎む美容師小林君のタタカイ「お午後のお紅茶」、学生時代の女友達の招待で妻とスウェーデンへ行くことになった男の物語「魚のスープ」、以上の3篇が収められている。
痛快なのは「お午後のお紅茶」。小林君が勤める青山の美容院そばのレストランが標的となるのだが、いかにも「おしゃれでしょ」って感じの店で女主人は偉そうでしかも味付けは濃いし、なんか押し付けがましい!!わかるわー。なんか許せないんだよ、演出がミエミエなかんじとか。しかも店の名前は「ポプリ」だ。勘弁して欲しいわ。読みながら小林君とともに憤ってしまう作品。石田衣良の解説もGood.