エンジェル エンジェル エンジェル (新潮文庫)(梨木香歩)

エンジェル エンジェル エンジェル (新潮文庫)
これ読んでなかったかも、と思って買ってきていざ読んだら、読んでなくてほっとした。これで新潮文庫梨木香歩作品は全部読んだみたいだ。ほとんど手元にないからまたそのうち買ってしまいそう。今また読みたいのは『からくりからくさ』かな。何年か前にこれを読んだときはすごく影響を受けて機織りを習いに行こうとまで思ったもの。思っただけだったけど。しかも意味のない影響だ。
さてこの作品、「生」と「死」と「記憶」がちりばめられた、いかにも梨木香歩らしい作品だ。ぼけてしまったサワコおばあちゃんの女学校時代の記憶が、孫のコウコとの深夜の会話に溶ける不思議な物語。読み終わった後、久しぶりに熱いコーヒーが飲みたくなった。で、飲んでいる。解説によると単行本では普通の黒の文字とセピア色の文字にわかれていたらしい。サワコの物語がセピア色だったのかな。素敵だ。